知ってなっとく!クリーム百科!
クリームサイエンス

ホイップって不思議だな

クリームを泡だて器でホイップすると、だんだんかさが増えて角が立ってきます。
どうしてこんな風に変化していくのでしょうか?

クリームには以下の2つの性質があります。

  1. ①クリーム中の脂肪は、水分の中に『脂肪球』という形で分散して存在しています。脂肪球はその名のとおり球状のもので、脂肪と脂肪球膜からできています。
  2. ②クリームの脂肪球中の油脂は全て固体でなく、「溶けた状態の油(液状油)」と「固まった状態のもの(固体脂)」が混ざった状態で存在しています。

ホイップのしくみは各説ありますが、一般的につぎのように考えられています。

攪拌されると、その衝撃により脂肪球膜が傷つけられます。傷ついた脂肪球が部分的に裸にされ、一部油脂が出てきます。出てきた油脂により脂肪球の結合・合一が起こり、同時に空気を抱き込むことで体積が増えます。脂肪球の結合が網目構造をつくり、抱きこんだ空気を支えることによって泡が安定し、硬さが得られます。
このように、ホイップとは『脂肪球を傷つける作業』と『空気を抱きこむ作業』の二つを同時進行させる作業になります。

オーバーランとは…?

ホイップクリームやアイスクリームの中には、細かい空気がたくさん含まれています。この空気は、食べた時の口当たりや味に大きな影響を与えます。
この空気がどれだけ入っているかの目安として「オーバーラン」という言葉が使われます。例えば、空気の入る前の体積が100mlで、空気が100ml入り、全体の容積が200mlになった場合を、オーバーラン100%といいます。

ホイッピングのコツ

ホイッピングは色々な条件で仕上がりが変わります。
最適な状態でホイップすることが重要です。 用途に応じて最適なホイップの仕方をしましょう。

①ホイップ時、クリームの温度を10℃以下にすること

ホイップを始める前のクリームの温度は5℃前後が理想です。10℃よりも温度が高くなると、脂肪球が傷つきすぎて、その結果キメが粗くなったり、バター状になったり、とホイッピング不良を起こしやすくなります。

どちらも同じホイップ条件でホイップ、ホイップ開始後9分後で撮影したもの(純生クリーム35の場合)

②ホイップ時、室温が25℃以下であること

クリームは外気温にとても敏感です。外気温が高いとせっかく冷蔵庫でクリームを冷やしていても、すぐにクリームがあたたまって脂肪が溶けてしまい、①のようにホイッピング不良を起こします。25℃以上の場所でのホイップは避けたほうがいいでしょう。特に、夏は要注意です。

③ホイップされたクリームが15℃を超えない事

ボウルの下から氷で冷やしたり、一度にホイップするクリームの量を少なめに調節するなどすると、よいでしょう。






氷あり 氷なし
5
7
9
11
 

④過度な大きさ道具を使うこと

混ぜる時にこぼれずに、かきまぜやすい大きさのボウルを使ってください。